3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/24(日) 18:59:27.27 ID:Hh3q65G80
わぁわぁ言い争いながら、それでも仲良く部屋を出る二人。
すると彼女たちが座っていた椅子の向かい側。
未来たちのやり取りを初めから終わりまで観察していた
七尾百合子は隣に座る望月杏奈へと目をやった。
「ねぇ杏奈ちゃん」
「……ん」
「そのゲームって、面白い?」
手元の携帯ゲームからは顔も上げず、杏奈が無言で頷いた。
その動きは実に微かであり、必要最低限の返事以外は
一切やらないお断り! という彼女の強い願いも込められている。
「あ、やっぱり面白いんだ。……ところでね、話は変わるけど杏奈ちゃん」
……いる、いたのだが百合子はそれに気づかない。
よしんば気がつけたとしても、百合子は既に不退転の覚悟で事を始めた後だった。
そんな彼女が今まさに、相手に対する慈しみが一周回って
何かを企んでいるような怪しさに変わってしまった微笑みを顔に浮かべ。
「お腹空かない?」
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