ミリオンデイズ
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196: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/02/27(火) 15:53:35.54 ID:yCnrSL9vo
===R1.「ある日の光景。衣装合わせ」

アイドルたちの衣装合わせ。

これが中々どうして手間がかかり、時間の必要な作業でもある。

なにせただ歌えればそれで良いというワケじゃない。
飛んだり跳ねたり回転したり、ダンスも魅力なのがアイドル。

激しい動きに装飾が飛んで行ったりとか、振り付けに支障が無いかの確認作業はいつだって骨がおれるものだ。

「その点、今回の衣装は楽ですよね。なんてったって制服だから」

ここは765プロ劇場ドレスルーム。出来立ての衣装を胸に抱いて、はしゃぐエレナたちを眺めて俺は言った。

次回公演の目玉となるユニット、エレナと美也の『CleaSky』。
テーマは青春。それに合わせて衣装もシンプルなセーラーだ。

今回も衣装を用意してくれた青羽さんは俺の言葉にうなずくと。

「でもこれで結構難しいんです。特に今回は派手な小道具やアクセサリーもつけられませんでしたし、
シルエットはスッキリ、それでいて華やかさと爽やかさを演出するというのはですね」

「……す、すみません。なんだか軽はずみなこと言っちゃって」

「あっ……いえ、大丈夫です! 気を悪くしたりなんてしてませんから」

謝ってから「しまった」と思う。

よく見れば彼女の目の下にはクマがあって、
青羽さんが睡眠不足であることをハッキリくっきりと語っていた。

つまりそれだけの時間を費やして、試行錯誤の末に生まれた衣装があのセーラー。

決してお手軽簡単になんて作られてはない作品で、
それは俺なんかよりも衣装を着た少女たちの方がずっと分かっているようだった。


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