185: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/02/12(月) 16:37:31.72 ID:6j8GrbgEo
――そうしてその反応を確かめようとする俺に、
昴は銀紙の包みを剥がしながらぽつぽつと。
「プロデューサーにはいつだって、一杯迷惑かけてるから。内心じゃ俺のこと嫌いかもしれないって。
……ほら、俺ってよく怒られるし、その度にプロデューサーも一緒に謝ってくれるだろ?」
手の平の上、剥き終わったチョコレートを指でころころと転がしながら恐る恐ると俺を見た。
「だからホントは嫌われてるんじゃないかって。……怖かったんだ、凄く」
「昴……」
「でもさ、さっきのプロデューサーの笑顔を見て、嘘じゃないって分かったから」
言って、彼女は普段通りの明るい笑顔を取り戻すと。
「なあなあ、一緒に食べようぜ、チョコ。早く食べないと溶けちゃうよ」
「……ああ、そうだな!」
ちなみに、二人で食べたチョコレートの中からは
最初にされた説明の通りオマケの入ったカプセルが。
俺が中身を確認した途端、昴は「ああっ!」と声を上げた。
「いいなー……。プロデューサー、それシークレットだ」
出て来たのは有名球団のマスコット。話を聞けばポーズが普通と違うらしい。
……じぃっとこちらを見つめる彼女の眼差しが言っている。
「昴、これいるか?」
「くれるの!?」
「もちろんさ。俺と昴の仲なんだし」
渡してあげると昴は子供のように喜んだ。
いや、実際まだまだ子供なんだけどね。
「えっへへ。なんか催促しちゃったみたいだけど――」
それでも、彼女の嬉しそうな姿が見れるなら満足だ。
昴は早速貰ったストラップを自分のスマホに取りつけると、
元気溢れる笑顔で改めて、俺に向けてこう言ってくれたんだ。
「ありがとな、プロデューサー! ……やっぱ俺も、プロデューサーのこと大好きだぜ♪」
340Res/273.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20