183: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2018/02/12(月) 16:34:19.06 ID:6j8GrbgEo
「なっ、なあ! プロデューサー」と、昴は少し緊張しているような面持ちで俺に声をかけてきた。
一旦仕事の手を休め、何事だろうと彼女を見る。
「どうした昴? また野球をやってて怒られたか?」
「大丈夫、今日はまだな。……じゃなくて、プロデューサーに確認したいことがあってさ」
「確認? ……先に言っとくがキャッチボールもダメだからな」
ちなみにキャッチボールだけではなく、
劇場内ではバレーもバスケもドッジボールも禁止。
原則、許可の無い球技全般がご法度だ。
「それはとっくに分かってるって! ……あ、あのさ? プロデューサーは、その、俺と……」
そう言って、急にもじもじとしおらしい態度をとる昴。
……なんだ? 今日はまだとか言ってたし、
まさかもう既に花瓶やらなにやらに被害を出した後だとでも――。
それで、いつものように一緒に謝ってくれとかそういう相談か?
「俺のこと、えぇっと――嫌いじゃない、よな?」
窺う昴は上目遣い。
思いがけない質問だが、昴のことをどう思ってるかと問われれば。
「ああ、別に嫌いじゃないぞ」
仕事も遊びも一生懸命前向きに。
そんな彼女を嫌ってる人間の方がこの世に少ないと思うんだが。
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