16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/25(月) 23:40:53.05 ID:53XBMd0+0
「あっ、そうだ」
するとドアノブに手をかけた状態で、志保が思い出したように彼に向かって振り向いた。
「私との待ち合わせの時間をいつにするかは、電話かメールで構いませんから。
……待ってます。それじゃ、今日はお疲れさまでした」
去り際に悪戯っぽい仕草で残された、微笑みは実に芝居的。
断れない約束を相手の胸に押し付けると、
これ以上は話すことも無いといった様子で志保が事務室を後にする。
残されたプロデューサーが「ああ……。まーた七面倒なことになった」と天を仰ぐ。
蛍光灯の光が目に入り、その眩しさに思わず瞼を閉じてしまう。
そうして彼は考えた。考え予想し気がついた。
「そうだ――」
椅子にしっかりと座り直し、背筋を伸ばして机の上の企画書と向き直る。
「二度あることは三度ある。千早、静香、そして志保……」
ならば、四度目だってあったりするんじゃなかろうか? しかもこの面子、この流れ、
もしもイベントフラグの神が存在するというのなら、次に現れる可能性が最も高い少女は恐らく――。
「紬! "765面倒くさいカルテット"最後の刺客、白石紬しかおるまいてっ!!」
そう! 何かあるとすぐ実家に帰ってしまいそうな雰囲気のある件の少女に違いない!
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