112: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/11/11(土) 09:37:24.47 ID:zjG9pEgO0
「てぇいっ!」
その手にしたポスターブレードで朋花の肩を払ったのだ。
この時、周囲で見ていた団員たちには男がヒーローに見えたという。
……一つしくじれば大惨事。誰もが"後一歩"を踏み出せないでいた状況に、まるで風穴を開けるような彼の行動は――。
「プロデューサーさん?」
「うん」
「アナタのような人のことを、きっと愚かな勇者と言うんですね〜」
さらなる事態の混乱を招く。
今、朋花の肩から追い払われた怒りに燃えるスズメバチはブンブンブンと二人の周囲を飛び回ると、
最後には朋花の頭にチョコンと止まってカチカチと顎を鳴らしていた……。
つまりは正面に立つプロデューサーへ向けて"威嚇"ではなく"警告"を発していたのである。
「ホントにダメなプロデューサー。機嫌を損ねてどうするんです?」
「それはどっちの機嫌かな……」
「……私は怒ってなんていませんよ。ただただ呆れ果てているだけですから〜」
こうなるともうにっちもさっちも動けない。
蜂は今にも彼らを襲わんと不機嫌な舌打ちを繰り返し、
その場に集まる誰しもが、本能的にこれ以上の接近はマズいと言うことを察していた。
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