11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/25(月) 23:30:56.68 ID:53XBMd0+0
「一枚一枚、気持ちを込めて書くよーに」
釈然としない表情で色紙と闘い始めた千早にそう言って、プロデューサーは机のスマホを手に取った。
画面のアイコンをタッチして、先ほどまで遊んでいたゲームの続きを再開する。
「プロデューサー。またこんなところで油を売ってるんですか?」
が、千早に続いて声をかけてきた最上静香の出現により、彼の戦いはすぐさま中断させられた。
そうしてコチラに冷ややかな視線を向ける静香に対し、プロデューサーは不機嫌そうな顔になると。
「なんだよ静香、今忙しいの」
「忙しいって、ただ遊んでるだけじゃあないですか。お仕事の方はどうしたんです?」
「それがねぇ、なーんかやる気になれなくって」
言って、彼はデスクの上に広げていた作りかけの企画書をこれ見よがしに指さしてみせた。
「疲れてんのかなぁ。アイディアをまとめようとすればするほどさ、頭にモヤがかかる感じ」
「それで気分転換にゲームですか?」
静香に訊かれたプロデューサーが否定するように首を振る。
「ううん違うよ。これは単なる暇つぶしで――」
「だったら暇は仕事で潰すべきですっ!」
一喝! 静香に思い切り叱りつけられて、プロデューサーが椅子ごと後ろに仰け反った。
慌ててスマホを後ろ手に隠す、彼の反応に静香が大げさに嘆息する。
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