王女「国が滅んだので安価で再建する」
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155:妄想が捗って長くなっちゃった、ごめん ◆d0sNTotDiE[saga]
2017/09/24(日) 22:19:46.64 ID:cZ8X2IcD0
女学者「貴女は……いつから……?」

女義賊「さっき」

そう淡白に答えた少女の身なりは非常に貧相でした。
ただの布切れを体に巻いてるだけに過ぎず、
冷たい地面に素足で立っていて、肌は薄汚れていましたが、
目だけがギラギラと濁った輝きを放っていました。

女学者「でも、物音なんて……」

老学者「女学者殿…ワシがまだボケておらず、裂け目の瘴気に充てられて目がおかしくなった訳ではないのであれば―――」

老学者「―――この少女は裂け目から出現した」

女学者「!?」

女義賊「……」

信じられませんでしたが、決して有り得ないことでもありません。
文献が確かであれば、あちらもこちらのように人間と似た生き物が暮らしていても全くおかしくありませんし、
裂け目を通ってこちらの世界にやってくることだって想定できたことなんです。
しかし、どこに繋がっているともはっきりしない不気味な穴に進んで入ろうとする人間などこれまでおらず、
そのことは私達の頭からすっかり失念されていました。

老学者「誤って迷い込んだのか、それとも……」

女学者「……っ」ゴクリ

侵略、だなんておかしな二文字がその時浮かびましたが、
目の前の少女の様子を見ればすぐにそんなことは無いと分かりました。

女学者「……君、名前は?」

女義賊「わかんない」

女学者「どこから来たの?」

女義賊「わかんない」

……記憶喪失。
それは、あちらの世界についての手掛かりを得る機会の消失を意味しており、私達は落胆を隠しきれませんでした。



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