156: ◆d0sNTotDiE[saga]
2017/09/24(日) 22:32:11.86 ID:cZ8X2IcD0
私達はその少女を連れて都市に帰還しました。
ですが、その存在を公にはしませんでした。
……だって、異世界から来たかもしれない女の子だなんて、
好奇心の塊のような他の学者の目に止まれば即解剖、なんていうのも……全く無いとは言いきれなかったから。
このことは私ともう一人の学者さんだけの秘密にして、
その異世界の女の子と私はしばらく一緒に暮らしました。
女義賊「女学者! 早く飯を持ってくるのよ!」
女学者「ククク…はいはい今すぐに」
……あの子はとても読書が好きな女の子でした。
ちょっと文字を教えてあげたらすぐに理解して、本当に賢い女の子だった。
本の登場人物の口調を真似て、もう本当におかしくて……
思えば、本の中のお姫様に憧れていたあの子と貴女が友達になるのは、何ら不思議なことでは無かったのかも知れませんね。
それから数ヶ月は一緒に居たのですが、ある日急に自立する! とか言い出しましてね。
一体どんな本に影響されたのか、義賊になるとか言い出して。
……私も、面白そうだからという理由で背中を押してあげました。
あの子を外に出しても、あの子が異世界から来たなんて知る人間は私ともう一人しか居ないわけですし、大丈夫かなと思ったんです。
……それからは北の洞窟に住み着いて―――ああ、この後は姫様の方がよく知ってますよね!
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