6: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 22:39:36.06 ID:n8F8dLyB0
片桐早苗と川島瑞樹は仕事後の集まりについて相談していた。
「瑞樹ちゃん、今夜どう?」
「いいわね。いつものお店にする?私は明日オフだから他の場所でもいいわよ」
「あら、だったら久しぶりに鍋やりましょうよ。あたしも明日オフだし」
まだ昼も食べていないうちから、二人の計画は練られていく。
「あ、でも二人で鍋は寂しいわよね」
「なら他にも明日オフの人に声かけましょうよ」
だが、順調だった議論は予想外な躓きをする。
「こんなもんでしょ。じゃあ今から適当に声かけるわよ。集合は直接瑞樹ちゃんちでいいわよね」
早苗の言葉を瑞樹は驚きとともに否定する。
「うち?私の家にみんなでつつける大きさの鍋ないわよ」
瑞樹は一人用の鍋しか持っていない。
なので瑞樹としては、てっきり早苗の家に集まるものとばかり思っていたのだが。
「え、そうなの?あたしの家にはそもそも鍋がないんだけど」
早苗も同様の理由で、瑞樹の家に集まるものとばかり思っていたらしい。
「どうする?どこかお店探す?」
「声かける中に大きな鍋を持ってる人がいればいいんだけど」
計画変更について話し合いながら、二人は言葉にせずとも同じ疑問を抱いていた。
自分たちは今まで鍋をする時に、誰の家に集まっていたのだったか。
その答えは誰にもわからなかった。
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