4:名無しNIPPER[saga]
2017/09/17(日) 00:02:46.00 ID:WGoPFWnk0
「まってよPさん!」
思わず叫ぶと、そこはベッドの上だった。はぁはぁ、と荒い呼気が口から漏れ出す。胸の動悸も早いし、パジャマは寝汗でびしょ濡れだ。どうやらアタシは悪い夢を見ていたようだ。
「夢か…」
そう口に出してどうにか心を落ち着ける。一度落ち着いて考えてみると、
なんだか不思議と現実味のある夢だったな…。そう思った瞬間、全身の毛穴という毛穴からじっとりとした汗が噴き出す。変だよな。夢のことを現実のように感じるなんて。でも、アタシにはこの夢が本当になってしまうような気がしてならなかった。Pさんが仕事ばかりしてるのはプロデューサーをやめるからなんじゃないかって。
そう思うともう居てもたってもいられなかった。アタシは勢いよくベッドからはね起きると、急いでシャワーを浴びて、朝ごはんも食べずに家を飛び出した。
事務所に向かう電車の中でも不安は募るばかりで、もう胸が張り裂けそうだ。と、電車が最寄り駅に着いたみたいだ。乗客をかき分け、駅の出口へ急ぐ。早く、一刻でも早く、Pさんに会いたい。
プロデューサーを辞めることなんてない、そう言って欲しい。そう急かす心の命ずるままに、アタシは脇目も振らず駆け出した。街ゆく人が面食らっているのもお構いなしに走る。事務所についても自動ドアが開くのも、エレベーターを待つのももどかしくて仕方ない。
息を切らして階段を駆け上がり、ドアを開けると…目の前に驚いた顔をしたPさんがいた。
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