【再開】オリロンパ(β)
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102: ◆Vcl4B/DaxY[saga]
2017/09/24(日) 13:15:15.53 ID:prdGZkfz0
【廊下】

人気のない空間を歩く。

閑散としていて、自分の存在だけでは心許ない。

稲羽「……」

誰も彼もいなくなってしまって……今、ここにいるのは私と兎さんだけ……

なんて事……無いですよね?

天草「おはよう御座います」

天草さんの声がして、咄嗟に振り返る。

私の幻聴などではなく、天草さんはしっかりとそこにいた。

私は自分の妄想が外れた事に安堵する。

稲羽「……天草さん」

天草「……」

彼は神秘的な雰囲気を携えて、柔らかい笑顔を浮かべている。

天草「参りましょうか」ニコ

天草さんが私に進むよう促し、自分自身も歩を進める。彼もきっと食堂へ行くのだろう、私は彼の後に続いた。

稲羽「……」

私達は何も言葉を発する事なく無言で歩く。

何かを話すべきかどうか判断できずにそのまま黙っていると、ふいに天草さんから話かけてくる。

天草「お疲れですか?」

稲羽「え?」

天草「顔色が優れませんで」

稲羽「……」

今朝の夢のせいだろうか?

それに……昨晩辻垣さんから聞いた話も気になる。

私の才能についての記憶がお互いに無かったのは、本当に偶然なのだろうか?

稲羽「……いえ、大丈夫です」

今は余計な心配をかけるべきではないですね。

大丈夫……上手くいけばここから出る事が出来る筈だから。

天草「……」

天草「少し、寄り道しましょうか」



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