2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/12(火) 06:30:27.00 ID:UqQkvsyl0
「春香っ! 良かった、事務所に戻って来てたのね!」
突如、乱暴に開け放たれた事務所の扉。
その大きな音に驚いて、春香が首だけをそちらに向ける。
するとまぁ、事務所の入り口には聞き覚えのある声の主が肩で息をするようにして立っていた。
誰でもない、春香の親友であり時にライバルでもある如月千早その人だ。
「ど、どうしちゃったの千早ちゃん。随分慌ててるみたいだけど……」
心配そうに問いかけた、春香に答える余裕も無いのだろう。
千早はツカツカツカと早足でソファに近寄ると、
肩に下げていた自分の鞄からある物を取り出して彼女の鼻先に突きつけた。
「これよ!」
「……携帯電話がどうかした?」
「どうしたって? どうかしたいのはこっちの方!」
千早の眉間に深い皺。苦虫を噛み潰したような苦渋の声と表情で、
彼女は愛用の携帯電話を春香に向かって放り投げた。
下に落としては大変だと、春香がすんでのところでキャッチする。
その際、手を離したファッション雑誌が重力に引かれ、
ついでにテーブルの上のチョコ菓子の箱も引っ掛けもろとも床にぶちまけられたのはご愛嬌。
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