3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/12(火) 06:32:05.34 ID:UqQkvsyl0
「ふああぁぁぁ……っ!!?」
まるで魂が抜けていくような悲鳴を上げた春香を他所に、
千早が彼女の前を横切ってソファの空いている場所に腰を降ろす。
バキバキに踏みつけられた雑誌とお菓子。春香のリボンが深い悲しみにわななく中で、
千早がこの世の終わりだと言わんばかりに話し出した。
「ああ、もう、こんなことってあるのかしら? ……どうしたらいいか、もう全然頭が回らなくて」
「はわわ、ああぁ……!」
「私って、機械にはとんと疎いでしょう? だから今回の話を聞いた時も、根拠もなく大丈夫だって思い込んでたの」
「バ、バッキバキだよぉ。見るも無残な有様だよぉ……!」
「だから今朝になってから、真実を知って自分の無知さ加減に打ちのめされたところなのだけど……春香?」
そこで一旦、千早が言葉を切って春香を見た。
呼びかけられた春香の方も、酷く悲し気な顔で千早を見た。
その手にはチョコで汚れてしまった雑誌と共に、踏みぺちゃにされたお菓子の箱。
そうして千早は親友が未練たらしく携えた、二つの物体を怪訝そうに一瞥すると。
「春香、ゴミはキチンとゴミ箱に」
言うが早いか取り上げて、そのままソファの隣にあるゴミ箱の中へと放り込んだのだ。
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