輿水幸子「ボクのなつやすみ」
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27:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:59:00.55 ID:4sMggCAno
あっという間に十二時になった。

二人は底に穴の空いたブリキのバケツを拾ってきて秘密基地に飾り、ついでに木の葉や枝をかぶせて宝物入れにしようと考えた。
その工作の最中、いきなり幸子のポケットがけたたましく鳴り出したので雪美がびっくりして虫かごを蹴飛ばし、あやうく捕まえた虫を逃がしてしまうところだった。
幸子は悪いと思いながらも雪美の慌てぶりが可笑しくてつい噴き出してしまった。

「十二時にアラートを設定してたんですよ。というかもうこんな時間なんですね」

「…………」

「じゃあお昼ごはん食べ終わったら続きをやりましょう!」

「! うん……!」

二人は次の待ち合わせを約束すると一旦別れて帰路についた。


「ただいまー」

「あら、遅かったじゃない。もうすぐお昼ですよ」

「それよりママ、これ見て!」

帰宅した幸子は両親に草笛を自慢しようとしたが実際はぷすぷす鳴るばかりで様にならなかった。
それを見た父はニヤリと笑うとおもむろに庭から葉っぱをもぎって来て得意気に吹き始めた。

「えーっ、パパ吹けるの?」

「コツがあるんだよ」

父はそう言いながらも肝心のコツについては何も語らず一人で自慢げな顔をしている。
幸子は大いに悔しがりますますムキになって鳴らない草笛を吹きまくるのだった。

母は娘が頬を膨らませて顔を真っ赤にしているのが可愛くてしょうがないといった様子で終始微笑ましく見守っていた。……


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