輿水幸子「ボクのなつやすみ」
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26:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:58:13.63 ID:4sMggCAno
雪美はまだ十歳の幼い子供だったがすでに自然の遊びをよく心得ていた。

手近にあるいろいろな草木の葉っぱをもぎっては草笛にして吹いたりする。
その小さい口と手のひらから驚くほど高く鋭い音が鳴り響くのが幸子にはこの上なく不思議であった。
教えてもらって真似をするけれども雪美のように綺麗に鳴らすのは難しく、その日、幸子は形のいい葉っぱを見つけるたびに手当たり次第にもぎっては練習したりした。

また雪美は野生動物を見つけるのが得意だった。
虫取りに奔走している最中、ふと雪美が立ち止まりそっぽを向いたので何かあるのかと聞いてみると、

「うり坊……」

と呟いて林の奥を指差した。
幸子はその指した方向にじっと目を凝らしてみるけれども雑草と木しか見えない。

「うり坊ってイノシシの赤ちゃんですよね? 危なくないんですか?」

「……近づいたら……危ない……近づかなかったら……平気……」

雪美はそう言って草笛をピーッと甲高く鳴らした。
すると遠くの方からガサガサと音が聞こえ、やがて静かになった。

「もう……逃げた……」

なんて頼もしい、と幸子は思った。


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