3:名無しNIPPER
2017/09/10(日) 23:02:30.48 ID:ZNhdxt+t0
『……紬?』
遠くの方からこちらへ向かって歩いてきているのは白石紬。私たちの愛すべき同僚。
彼女は相変わらずの透き通るような、艶のある長髪をしていて人ごみの中でも目立っていた。と言ってもそれ以上に目立つ要因はあったけれど。
紬の行動を一言で描写するんだったら……そうやな。
『迷子やな』
そう、紬は周りの人ごみに置いて行かれるような速度で歩いていて、何より視線が忙しかった。
きょろきょろ、ぐるぐる。
色々な所へ目線を向けていて、けれども収穫は無いようでいつまで経ってもその動作は終わらない。
何を探してるんやろ…………そう思って、視線の先を追ってみる。
スポーツ用品店、甘味処、食料品店、定食屋、甘味処、喫茶店、甘味処、電信柱。…………電信柱?
いや、電信柱はただの電信柱だったんやけど。
おまけが付いてたんや。
気づくと私はその柱のもとへ駆け出していた。
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