横山奈緒「夕焼けのシャッターチャンス」
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1:名無しNIPPER
2017/09/10(日) 23:00:38.37 ID:ZNhdxt+t0
「……ありさのこと、怒ってます?」

カフェのテーブルの、その対面。
目の前に座る彼女はそんなことを言う。緊張と気まずさが顔に薄くにじみ出ていて、それを少しでも逃がすためにか、さっきからずっとアイスコーヒーをストローでかき混ぜていた。
まさか、私が亜利沙のことを嫌うわけないやん。
と、そうやって本心を言ってみれば亜利沙もすぐにいつものようにころころと笑ってくれるんやろうけど……。
今の私はそれを簡単にできるほど冷静じゃないんや。
じと目だけ亜利沙に返して、アイスココアでのどを潤す。甘ったるさは今の私たちとは対照的やな、なんて思った。
すると亜利沙が少しだけど悲しむような表情をして、それを見ている私の胸も痛む。
自分勝手やな、私。
でも、亜利沙だって悪いんやで――――。
数時間前のことを思い返しながら、そんな幼稚な理屈を転がしていた。

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2:名無しNIPPER
2017/09/10(日) 23:01:35.76 ID:ZNhdxt+t0
思い返すは昼頃。お天道様も絶好調な頃やな。
今日はレッスンも仕事もない、完全オフの日だったから私も家の中に引きこもっていられず、私は街へ特に目的もなく出かけていた。
最初の方は順調で、チェーン店で昼飯を済ませるのもつまらないと思って個人経営の定食屋に入ってみたりした。
安くて美味くて、当たりやったな。まあ、そんなことを美奈子に言うとむっとされるから言えへんけどな。一番は美奈子やっちゅうに。
そんな休日の外出。
以下略 AAS



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