58: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:28:02.23 ID:UExX3PfR0
感情が無いわけではない。
喜びもあるし、怒りも悲しみもある。
59: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:30:03.16 ID:UExX3PfR0
休みの日は嬉しい。
だが何をするでもない。
友人はいる。
だが親友はいない。
60: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:32:21.64 ID:UExX3PfR0
別に病んでいる訳ではない。
死にたい訳ではない。
ただ、どうでもいいだけだ。
61: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:34:13.47 ID:UExX3PfR0
そうなのかもしれない。
いや、事実そうなのだろう。
現に今指摘を受けた事柄に対して、特に感想はない。
62: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:36:58.99 ID:UExX3PfR0
「だけどさ、大人は皆そうなんだよ」
いや、皆は言い過ぎたかな、と付け加える。
63: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:39:11.79 ID:UExX3PfR0
「でも、大人なら大なり小なり空虚を抱えてる。それを感じさせず、エネルギッシュに生きていける人こそが『選ばれた人』で、成功する人間なんだろう」
だから、自分はおかしくない。
自分のように、「己」が薄い人間は世の中にたくさんいる。
64: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:41:35.55 ID:UExX3PfR0
「だからさ」
俺は、悲しむような、笑ったような顔をしてみせた。
65: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:44:11.33 ID:UExX3PfR0
「奏……」
奏の表情は怒ってるような、悲しんでるような、そして空虚なような。
66: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:46:37.58 ID:UExX3PfR0
今度は今にも泣き出しそうな顔。
今まで奏の泣き顔なんて見たことがないからわからないが。
67: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:49:39.91 ID:UExX3PfR0
「おい、奏……」
情けない狼狽えた声が出る。
しかし、この狼狽が本心か表面だけのものかは、もう俺にもわからなかった。
68: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 02:52:19.38 ID:UExX3PfR0
数秒その状態が続き、顔を離したのは俺の方からだった。
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