速水奏「誰にでも優しいプロデューサーさん」
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1: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:04:31.43 ID:UExX3PfR0


「プロデューサーさん?優しい人だよねー」


「プロデューサー?良い人って感じかな〜?」


「え?プロデューサー?……本当に優しくて、良い人だよ」


「本当に良い人だよね〜!」


「優しい人よ。誰にでも」

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2: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:06:18.17 ID:UExX3PfR0
俺を他人に評してもらうと、概ね「良い人」だとか「優しい人」と返って来る。

それはそれで嬉しいものだ。

少なくとも疎まれたりしている訳ではないし、(自分の感覚としては)好意的に見られていると思うからだ。
以下略 AAS



3: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:08:43.94 ID:UExX3PfR0


仕事は楽ではない。

残業だって当たり前だし、平日も土日も関係ない。
以下略 AAS



4: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:10:36.78 ID:UExX3PfR0
あの時、速水奏は荒れていた。

夕焼けに染まる海岸沿いに佇む彼女。

様々な現実に心は混ぜ返され、打ちのめされ、ぐしゃぐしゃだった。
以下略 AAS



5: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:13:11.77 ID:UExX3PfR0
そんな折にノコノコと近づいてくる男。

こっちの気も知らないで、図々しくも話しかけてくる。

手ひどい言葉で追い払おうとする。
以下略 AAS



6: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:16:17.77 ID:UExX3PfR0
内心で、またか、というところだった。

今までにもこういった誘いは幾度かあった。

自分の外見に対して、上っ面だけの美辞麗句を並べ立て、誘ってくる。
以下略 AAS



7: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:18:08.42 ID:UExX3PfR0
「いま、この場で、キス……してくれる?」

男の両の眼を見据え、問う。


以下略 AAS



8: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:20:46.17 ID:UExX3PfR0

しかし、驚いた事に。

戸惑いながらもその男は奏の眼を見据え返し、訴えるのだ。

以下略 AAS



9: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:22:26.70 ID:UExX3PfR0
奏は、この人に付いていく事を決めた。

今まで自分が感じた事の無い本気を感じたから。

この人はきっと、自分を今の場所から救ってくれると信じたから。
以下略 AAS



10: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:25:06.88 ID:UExX3PfR0


「ねえプロデューサー、この写真ブログに載せていい?」


以下略 AAS



11: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:26:46.48 ID:UExX3PfR0
確かに以前、浴衣を着る仕事をした時に彼女は写真を撮っていた。

普段はあまり着る機会のない和服は彼女にとっても新鮮だったようで、撮影以外にも彼女は自分のスマホで何枚も写真を撮っていた。

その中で、彼女の提案で俺とのツーショット写真も1枚撮っていた。
以下略 AAS



12: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:29:57.87 ID:UExX3PfR0
「おはようございま〜す」

「プロデューサーさん、美嘉、おはよう」

事務所所属のアイドル、塩見周子と速水奏が出勤してきた。
以下略 AAS



13: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:32:13.75 ID:UExX3PfR0
「ねえ奏、今度の休み確か被ってたよね?良かったら買い物付き合ってくんない?」

「今度の休み……日曜ね。良いわよ。けど美嘉、この前も買い物行ってたけど、何か欲しいものがあるの?」

「そうなの!秋の新作が出ててさ、まだチェックし切れてないんだよね〜」
以下略 AAS



14: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:35:55.06 ID:UExX3PfR0
パソコンに入力するキーボードを打ち込む手が止まった。

急に名前を出されて虚を突かれた形になった。

何故今の話の流れで俺の名前が出てくるのだろう。
以下略 AAS



15: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:38:42.80 ID:UExX3PfR0
「まあ最近仕事が忙しいなかでの折角の休みなんだから、思いっきり楽しんでくると良いよ」

当たり触りの無い言葉を掛けて、仕事に戻ろうとする。

「そういえばプロデューサーさんは休みの日って何してんの?」
以下略 AAS



16: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:42:04.98 ID:UExX3PfR0
我ながらつまらない回答だと思う。

だが、他に答えようがないのだから仕方がない。

他人が期待するような面白かったり華やかだったりする回答は用意出来ない。
以下略 AAS



17: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:44:49.04 ID:UExX3PfR0

ある日。
急に上司である部長から呼び出しを受けた俺は叱責を受けていた。


以下略 AAS



18: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:47:05.73 ID:UExX3PfR0
「それは解かっている。だが他も数字が落ちているからウチも落としていい、という訳にはならない。違うかね?」

「……いいえ」

「……プロデューサー君。良いかね。あの局のディレクターとはウチも懇意にしてもらっているんだ。今回のドラマでもメイン級の良い役を貰っているのだろう?それなのに数字を落としては困るんだ」
以下略 AAS



19: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:49:00.80 ID:UExX3PfR0
「良いかね、私は数字が取れないのを君たちの所為と言っているのではない。責任感ある仕事をして欲しいと言っているんだ。君にも、アイドル達にもな」

「はい。申し訳ありません」

「解かればいいんだ。それでは明日中までに今回の視聴率低下の原因とその対応策についてまとめ、私に提出しなさい。先方のディレクターにも提出する」
以下略 AAS



20: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:51:08.73 ID:UExX3PfR0
「ふぅ……ん?」

上司の部屋から出た俺を、周子と奏が待っていた。

「プロデューサー……」
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage]
2017/09/09(土) 00:52:21.90 ID:g+AolDgQ0
しゅーかなが出てるドラマなんて見逃すわけにはいかんでしょ


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