10: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:12:09.96 ID:qeoTwk+V0
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「このバスです」
まゆは目の前の看板に表示されているバスの番号を指さしながら言った。
「ええと、これは……どこですかい?」
「たぶん、あそこのバス停じゃないかな? もうすぐ来るから行こう、おばあちゃん」
光はおばあちゃんのキャリーケースをひきながら、一行を先導する。
自転車は適当な駐輪場に置いてきた。
「いやはや、本当にありがとうございます」
おばあちゃんは並んで歩くまゆに向かって頭を下げた。
「気になさらないでください。困ったときはお互い様ですから」
「それに、最初に声をかけた光ちゃんのおかげです」
「ええ、ええ。ほんに良い子ですなぁ……」
おばあちゃんとまゆは、胸を張って前を進む光の後姿に優しいまなざしを向ける。
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