91:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:58:48.80 ID:+EtVRVLso
楓は声をあげて助けを呼んだ。声を聞いた花子が隣の部屋から慌てて出てくる。
花子「あーあーあ! 帰ってきちゃったの!?」
櫻子「え、だめだったの?」
花子「もう! あと1分でいいから遅く帰ってこいし!」
櫻子「ひどっ! 花子の誕生日会に間に合うように走って帰ってきたんだよ!? 間に合わなかったけどさ!」
楓「ど、どうしよぉ……///」
櫻子「なんなの? 何かあるの?」
楓「うぅ〜……えいっ!」ぽすっ
櫻子「うわっ」
突然楓が腰元に抱き着いてくる。私の顔を見上げて、その小さな手に持っていた何かを渡してきた。
楓「あ、あのね……おねえちゃんがこれ、櫻子おねえちゃんにって」
櫻子「え……?」
楓「ほ、本当はこっそり置いてきてねってお願いされたんだけど……えへへ、ばれちゃったの♪」てへっ
花子「まったくタイミング悪いし……」はぁ
楓に手渡されたのは……
向日葵が使っている、古谷家の鍵だった。
櫻子「!!」
楓「おねえちゃんね、待ってるって。櫻子おねえちゃんのこと」
花子「楓は今日、このまま花子の部屋に泊まることになったから」
櫻子「え……!」
楓「ふふふ……早く行ってあげてほしいの!」
花子「ほらほら、早く」ぐいぐい
櫻子「わ、わかったよ! わかったって!///」
妹たちに押され、また家の外へと追いやられてしまった。
手の中で光る鍵を握りしめ、隣の古谷家の門をそっとくぐる。
外から見た限り、古谷家に明かりはついていなかった。
櫻子「…………」がらっ
玄関にも明かりは無く、誰もいないようだった。そういえば今日は古谷家のお母さんたちがいないんだっけ。昨日楓に聞かされたような気がする。
忍び足で玄関を抜け、闇に慣れてきた目で、通い慣れた廊下を静かに歩いた。
居間をぬけ、楓の部屋の前をぬけ、向日葵の部屋の前に来る。
とんとん
櫻子「……向日葵……?」
戸をノックしてみたが、返事はなかった。
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