90:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:58:12.19 ID:+EtVRVLso
〜
*
駅から家まで、走り続けて家に帰った。
時刻はもう夜の9時。今日は花子の誕生日なのに、パーティーの時間をほとんどすっぽかしてしまった。
向日葵から送られていたメッセージを見て、本当に悔いなく全てのことを話し終わるまで、今日という日を使わなきゃいけない気がした。
私は正しい選択ができているだろうか。頭の中に花子の顔を思い浮かべて考えた。花子もあの子のことが好きだから……きっと、これでよかったんだよね。
熱帯夜の中を走り、汗をかいてしまいながら、なんとか家に到着した。
息を切らしながら玄関を開ける……リビングをあけると、かちゃかちゃとお皿を洗ってるねーちゃんがいた。
撫子「……お帰り」きゅっ
櫻子「あれ……も、もう終わっちゃった!?」はぁはぁ
撫子「謝ってきな。花子は上にいるから」
櫻子「うん……」
せっかくの誕生パーティーに、ついに間に合わなかった。ねーちゃんは事情を知ってくれているのかわからないが、特に怒っている様子ではなかった。
むしろ今のは……すごく優しいときの顔だったような気がする。
二階にあがって花子の部屋に行こうとする……前に、あるものが目に入ってしまった。
私の部屋の扉が、少し開いている。
そっと開けて覗いてみると……机のそばに、小さな人影があった。
櫻子「え……?」
楓「あっ……///」
真っ暗な部屋の中……誰かと思ったら、楓だった。
私の机に手を置いていたが、慌てて何かを後ろ手に隠した。真っ暗なので電気をつけてあげる。
櫻子「楓……どしたの?」
楓「あ、あわわ……///」
櫻子「私の机に何か用でもあった……?」
楓「え、えっとね、その……ああー……///」もじもじ
もじもじと返答に困る楓。悪いことをしていたわけではないと思うが、楓がこんな姿を見せるのは初めてだ。
楓「……は、花子おねえちゃん! どうしよ〜……」
櫻子「えっ?」
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