86:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:55:57.18 ID:+EtVRVLso
向日葵「……ふふっ。あの子……嬉しそうですわ」
花子「……うん」
向日葵「なんだか私……知らぬ間に申し訳ないことをしてたんですわね。あの人から櫻子を奪ってしまって……」
花子「…………」
向日葵「辛かったでしょうに……櫻子と離れて……会えないままの日々が続いて……」
花子「ひま姉……」もぞ
花子ちゃんは二人から目を外し、私の胸に顔をうずめてきた。
花子「あの人のぶんも、そして花子のぶんも……ひま姉は、櫻子を好きでいてあげなきゃ、だめなんだからね……///」ぎゅっ
向日葵「っ……!」
花子「約束だよ……///」にこっ
私を見上げる花子ちゃんは、とびきりの笑顔だった。
視線の先のあの女の子も……笑顔だった。
私だけが、涙をうかべてしまっていた。
向日葵「……守ります」ぎゅっ
花子「あ……」
向日葵「必ず……かならず……っ///」
花子「……ありがとう……」
オレンジに染まりゆく夕焼けの中、二人を目に焼き付けた私は……花子ちゃんの手を引いて、一緒に家へと帰った。
ちゃんと見てくれるかはわからないけど、途中で櫻子に携帯でメッセージを送った。
[いくら遅くなっても構いませんから、ちゃんと全部謝ってから帰ってきなさい]
花子「……よかったの? ひま姉」
向日葵「ええ。笑い合ってる二人を見たら、心に余裕が出てきましたわ……あの二人には仲良くいてほしいんですの」
花子「…………」
向日葵「だから、今日一日くらいは、あの子に櫻子を預けます。一時間やそこらのお話で解消できるものじゃないでしょう……きっと」
花子「…………」
向日葵「納得のいく話し合いができたら、自然に帰ってきてくれると思いますわ」
櫻子は、私の彼女だから。
花子「……ひま姉」ふっ
向日葵「はい?」
花子「帰ったら……花子の部屋に来てくれる? 渡したいものがあるんだし」
向日葵「渡したいもの……?」
花子「うん。花子からひま姉へのプレゼント」
向日葵「プレゼントって……そんな、今日の主役は花子ちゃんですのに」
花子「それでも! どうしても今日渡したいものがあるの。じつは撫子おねえちゃんにも協力して、用意してもらったものがあるんだし……」
向日葵「?」
いったい何なのか、さっぱりわからなかった。
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