櫻子「これからも一緒に」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 16:59:59.16 ID:+EtVRVLso


向日葵「…………」さらさら

櫻子「…………」もくもく


クーラーの効いた大室家のリビングで、同じ問題集を、同じくらいの速度で進める。

中学生の頃の櫻子は……いつだって集中が続かなくて、すぐにソファに横たわって休憩していたっけ。


櫻子「向日葵、チャートある?」

向日葵「ありますわよ。はい」

櫻子「えーと……ここかな」ぺらぺら


私と櫻子は、七森中学校を卒業して……別々の高校へ進んだ。

二人とも、その時の学力相応の高校へと進んだ。私は撫子さんも通っていた高校へ。櫻子は自宅から近い、普通の公立校へ。

けれど櫻子は……入学後の一年間をひたすら勉学に励み、凄まじい努力を重ねた結果、なんと私のいる学校へ転校してきた。


今でも少し信じられない。あの櫻子が、あの勉強が大嫌いで図画工作や体育くらいにしか関心を示さなかったあの櫻子が、そんなに勉強を頑張るなんて。

けれどこうして問題集の難問とにらめっこする姿を……転校してきてからの学校生活の中でずっと見させてもらった。

試験前も一緒に勉強していた。私には及ばないにせよ、櫻子は私の高校でもそこまで悪くない成績を叩き出してみせた。

「どうだ!」といばられた。私はとても純粋な気持ちで、櫻子の努力を褒めた。勉強のことで櫻子を褒めるなんて今までほとんどしてこなかったから、褒めた後でなぜか無性にむずがゆくなったりもした。


櫻子「はーん……なるほどね。わかったかも」ぱたん

向日葵「ふふ……」

櫻子「ん、なに?」

向日葵「いえいえ。櫻子が勉強してるなぁと思って」

櫻子「は……?」

向日葵「うふふ……やっぱりまだちょっと見慣れない部分がありますわね。ああ似合わないこと」くすっ

櫻子「ひっど! 私だってやるときはやるんだぞ!?」


「ひま姉仕方ないし。それくらい今までの櫻子は、確かに勉強してこなかったんだから」かちゃ

向日葵「あら、花子ちゃん」


櫻子がむかし着ていたおさがりのTシャツをラフに着た花子ちゃんが、私たちのいるリビングへとやってきた。



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