72:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:44:42.66 ID:+EtVRVLso
撫子「……私は櫻子とひま子の未来について、ああしろこうしろって口出しするつもりはもちろんないよ。そういうことなら、二人が一緒に選んだ道を目指してほしい」
撫子「ただ、その未来の道を歩むにおいて……花子と楓のことを心残りにはさせない。もう私がこっちに帰ってくるから」
向日葵「!」はっ
撫子「遠慮しないで……安心して、二人でどこでもいっておいで。世界は広いよ」ふっ
向日葵「撫子さん……///」
撫子「もちろん富山にいてもいいけどね。そしたら私は彼女とどこかに部屋借りるけど。ノロケられたくないから」
向日葵「ちょっ……まあ、そうですわねっ。しっかり話し合って決めますわ」
彼女のことはものすごく気になるが、今は撫子さんの顔がかっこよくて直視できなかった。
そのまっすぐな目は、ここ最近でよく櫻子から向けられた真剣な眼差しに本当にそっくりで。この人のかっこよさは……規格外だ。
撫子「……ひま子」すっ
向日葵「えっ?」
突然、撫子さんがすっと手を伸ばして私の手を両手で包み込んだ。
撫子「櫻子を……よろしくね」
向日葵「!!」
撫子「あの子には……ひま子しかいないんだよ。だから……お願いね……///」ぎゅっ
向日葵(な……撫子さん……///)うるっ
かたく、かたく手を握りしめられた。
生まれてから今まで、ずっと櫻子を見守ってきた、ずっと花子ちゃんを見守ってきた撫子さん。
私たちの全てを見届け、私たちの距離を戻し、私たちの背中を押してくれる、私たちみんなのお姉さん。
撫子さんの内に秘められた本気の熱い想いが、包まれた手を通して一気に流れ込んでくるような気がして……思わず涙がこぼれてしまいそうになった。
向日葵「ありがとう……ございます……っ!///」ぺこり
撫子「……よしっ、それじゃ帰ろうか。花子のケーキの材料買いに行くんだよね」
向日葵「あ、はいっ……手伝っていただけますか?」
撫子「もちろん」
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