67:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:40:34.39 ID:+EtVRVLso
ちなつ「いい? 向日葵ちゃんはその元カノのことをよく知らないから、なんだか強大なライバルに思えちゃって、こうして怖くなって私たちのところに相談に来ちゃってるんだよ。その子と多少でも面識があって、その子の人となりまでわかってたら、脅威だなんて思わないはずだよ。たった一年間で向日葵ちゃんから櫻子ちゃんを奪えるわけがないんだから!」
あかり「ちなつちゃん、ぶっこむねぇ……!」
ちなつ「それに二人は、この前教えてくれたとおり両想いで付き合ってるんでしょ? なんにも怖いことなんてないじゃん! 向日葵ちゃんは絶対大丈夫だよ♪」
向日葵「よ、吉川さん……///」
ずばずばと切り込む吉川さんに赤座さんも私も圧倒されてしまうが……間違ったことはなにひとつ言ってなくて、むしろ私が抱えているひとつひとつのよくわからない悩みを的確に抽出し、そして同時に解決してくれるものでもあった。
吉川さんは私の問題をあっという間に論破して満足げになると、携帯をいじりはじめた。
今度は赤座さんが、吉川さんの言葉を受けて話を続けてくれた。
あかり「でもあかり、今の話聞いて……なんだか櫻子ちゃんのこと、すごく櫻子ちゃんらしいなって思ったよっ」
向日葵「櫻子が……櫻子らしい……?」
ちなつ「あかりちゃん何言ってんの?」
あかり「ち、ちがうよぉ! そんなおバカなこと言ってるわけじゃないよぉ!///」ぷんぷん
向日葵「なっ、なんとなくわかりますわ。大丈夫です」
あかり「櫻子ちゃんって……ちょっとやんちゃだけど、すごくお友達を大切にしてくれるから。状況が複雑になっちゃって、ちょっと慌てることになっちゃったけど……そのお友達のことは今でも大切に想ってると思うよぉ」
向日葵「……ふふ、そうなんでしょうね。きっと」
ちなつ「私が思うに、向日葵ちゃんは待ってるだけでも大丈夫だと思うよ。櫻子ちゃんは自分で全部片付けて、向日葵ちゃんのところに帰ってきてくれるって」
向日葵「…………」
片手間に携帯をいじりながら、吉川さんはそう助言してくれた。
本当にそうなのだろうか。本当に櫻子は……私の元へ帰ってきてくれるのだろうか。
「その元カノのことをよく知らないから」と吉川さんは言ったけれど……だからって不安が消えることはない。
ひょっとしたらものすごく可愛い子のなのかもしれない。櫻子の好きなタイプにどんぴしゃなのかもしれない。
ちなつ「……なに? ちゃんと戻ってきてくれるのか心配なの?」
向日葵「そ、それはもちろん……」
ちなつ「だとしたら、それは櫻子ちゃんに対して失礼だよ」ぴっ
向日葵「えっ……?」
ちなつ「よーく考えてみてよ……ここまでの二人の歴史を。出会ってから今まで一緒に過ごしてきた、ぜーーーんぶの時間を!」
あかり「……!」
ちなつ「どんなときだって一緒だったじゃん……どんなに喧嘩したって、元に戻ったじゃん。受験で初めて距離が離れちゃったけど、あのおバカな櫻子ちゃんが死に物狂いで勉強して戻ってきたんだよ!? 信じられるあかりちゃん!?」がばっ
あかり「じ、実は未だにちょっと、信じられない……///」
ちなつ「向日葵ちゃん……櫻子ちゃんはね、向日葵ちゃんのことが大好きなんだよ。わかる? 大大大大好きなの!」
向日葵「っ!///」かあっ
ちなつ「もしかしたら……向日葵ちゃんが櫻子ちゃんに想ってる “好き” より、櫻子ちゃんが向日葵ちゃんに想ってる “好き” の方が大きいかもよ」
向日葵(わ、私より……?)
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