29:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:14:07.37 ID:+EtVRVLso
胸がじんじんと痛む。不自然にゆがんだ何かを感じる。櫻子を取り巻く何らかの問題。すさんだ人間関係の片鱗。
これ以上見てはいけない。これは櫻子の問題だ。けれど花子の頭はどうしても櫻子とこの人の関係を変に邪推してしまって、とても見なかったことにはできない。
そして、また無情にも通知音が響いてしまう。
[花火大会の日、休みとれたよ]
[去年みたいに、一緒に行けないかな?]
花子「っ……」
櫻子「ふー。花子、お風呂あいたよ」がちゃ
髪にタオルを当てながら、お風呂上りの櫻子がのんきな顔をして出てきた。
櫻子の携帯を持って立ち尽くす花子は今、どんな顔をしているのだろう。
勘の鈍い櫻子の表情が一変するくらいだから、よほど不穏なオーラを出していたに違いない。
櫻子「ど……どしたの? ねーちゃんとの電話終わった?」
花子「…………」
櫻子「花子……?」
花子「櫻子……これ、なに?」すっ
櫻子「っ!!」どきっ
黙っていればよかったのかもしれないけど……我慢できなかった花子はロック画面を点け、緑色のアイコンの並ぶ通知表示を櫻子に突き出した。
この距離では細かい文字まで見えないだろうに、櫻子はそれだけで全てを察したようだった。
105Res/202.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20