櫻子「これからも一緒に」
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24:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:10:43.14 ID:+EtVRVLso
向日葵「……明確にこう、っていうのは……正直ないですわ」

櫻子「……私も」

向日葵「でも……」

櫻子「?」


向日葵「今日、赤座さんたちのおうちのお話を聞いて……いいなあって、思いました……///」

櫻子「…………」


視線を下げて、素直な気持ちを言葉に出してみる。

視界の端で櫻子がこちらを見てきたのがわかった。私の顔は赤くなってしまってはいないだろうか。


櫻子「……どうなるんだろね、将来の私たちって」

向日葵「あら。あなたにしては真剣なテーマで悩んでますわね」

櫻子「当たり前じゃん」ぴたっ

向日葵(えっ……?)


櫻子が突然歩みを止める。

垂れ下がった髪で目を隠し、不安げな声で小さくつぶやいた。


櫻子「私、もう同じことは繰り返したくないんだよ……」

向日葵「!」


櫻子「怖いの……向日葵と離れちゃうのが……」

向日葵「櫻子……」


ゆっくりと顔をあげた櫻子は、いつになく弱々しい表情だった。

知らずのうちに、櫻子は何らかのスイッチが入ってしまったようだった。受験を境に私と離れてしまったことがトラウマになっているらしい。

将来に対する漠然とした不安に苛まれている。うかうかしてたら大切なものを失いかねない、今の櫻子はその気持ちを誰よりも強くわかっていた。


向日葵「げ、元気出しなさいなっ。未来は暗いことばかりじゃありませんわ」

櫻子「うん……」

向日葵「そう……仮に、私の夢がもしあったとしたら、あなたはどうしてくれるんですの?」

櫻子「そしたら……私も向日葵と同じのにする」

向日葵「……本当に? いいんですの?」


家に到着するまでもう少しという場所で、私たちは隣り合って話し合った。

もう夕方だから、家に到着したら別れてしまう。そんな気持ちもあって櫻子は立ち止まったのだろうが……奇しくもここは、桜が散る季節に私が初めて櫻子に「付き合ってください」と告白した道端だった。

あのときの櫻子のいたずらっぽい笑顔をまだはっきりと思い出せる。

不安げな私を優しく抱きしめてくれたことも、「大好き」と言ってくれたことも。



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