20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:08:27.55 ID:+EtVRVLso
ちなつ「……はい! てなわけで、私たちの近況報告はこんな感じかな」ぱんっ
あかり「ふたりも今度うちに遊びにきてね〜」
櫻子「す、すごいなぁ……」
向日葵「そういうのもありなんですのね……」
あかり「ううん、あかりはね……櫻子ちゃんの方がすごいと思うよ」
櫻子「えっ?」
ちなつ「私たちは、ただ流されるように……周りにくっついてるだけだもん。まだまだおねえちゃんたちに甘やかされてるって、自分でも思う」
あかり「でも櫻子ちゃんは、きちんと自分で頑張って、それで向日葵ちゃんのところに戻ってあげたんでしょ?」
ちなつ「それって本当にすごいことだと思うよ! 本当に……向日葵ちゃんは、幸せ者だね」
向日葵「えっ!///」どきっ
櫻子のことを褒めていたと思ったら、急に私に話が振られてしまった。赤座さんと吉川さんに同時に笑顔を向けられる。
ちなつ「なんとなく思ったからできることじゃ決してないじゃん。本当に強い気持ちを持って、ずっとずっと向日葵ちゃんのために努力してきたんだよね?」
あかり「その時間があったからこそ、二人の距離は……今までよりもっともっと近くなったんだって思うなぁ」
櫻子「う……///」
櫻子と離れた時間。
櫻子と会わないままに過ごした日々。
今こうして私たちが一緒になれたのは、櫻子が強い気持ちで頑張り続けてくれたから。
離れている間にも……私を想って、私のことを考えて、私のために努力してくれていたから。
向日葵(確かに……)
私も櫻子と離れてしまってからの日々で……自分の本当の気持ちに、やっと静かに向き合うことができた。
櫻子がいなくなってはじめて、ぽっかりと空いた穴の大きさがよくわかった。
櫻子が好きなんだって、揺るぎなく想えるようになった。
向日葵「……おっしゃる通り、櫻子は本当によく頑張ってくれましたと思います」
櫻子「なっ……!」
向日葵「実は私……今まで言ってなかったけど、ずっとあなたに申し訳ないって気持ちがあったんですの。あなたはこうして努力して戻ってきてくれたのに……私はあなたに、何もしてあげられてないって」
櫻子「そ、そんな……!」
向日葵「だって……もし一年生の頃の私が、あなたのことを思い出さずに過ごしていたって、あなたは今と同じように転校してこれてたかもしれないじゃない……」
櫻子「それは違うよ!!」ぱっ
向日葵「えっ……?」
櫻子は突然私に詰め寄って手を取ると、普段は決して見せない真剣な表情になった。
赤座さんと吉川さんの目があるのに……と思ったけど、そんなのお構いなしに、まっすぐに私を見つめてきた。
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