【ゆるゆり】櫻子「告白予告」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:35:32.57 ID:+EtVRVLso
向日葵「……櫻子」

櫻子「……なに?」

向日葵「…………あ、また言っちゃいけないことを言いそうになりましたわ」

櫻子「……ばかなの?」

向日葵「仕方ないじゃない……本当に、今の私の中にある気持ちが、そういうことなんですから」

櫻子「……そっか」


向日葵「……明日、ですわね」

櫻子「うん、明日」

向日葵「どうして明日にしようと思ったんですの? たまたま?」

櫻子「半分は、踏ん切りがつかなくてずるずる引き延ばされちゃったって感じだけど……もう半分は、やっぱり夏休み目前だからだよ」


櫻子「今年の夏こそは……もう、小学生の頃とは違ったものにしたいなって思ったの。中学生になったんだから、一歩大人の夏にしなきゃって」

向日葵「……あら。じゃあ宿題もきちんと計画的にやりますのね?」

櫻子「うん……まあそういうところも含めて、明日いろいろ精算しておけば、夏休み序盤から宿題教えてって言いやすくなるじゃん?」

向日葵「……ある程度は協力しますけど、自分でやらなきゃ意味ないんですからね」

櫻子「わかってますわかってます」

向日葵「まったく……」

櫻子「あはは……」

向日葵「…………」くす


櫻子「……向日葵」

向日葵「なあに?」

櫻子「この夏は……いっぱい、遊ぼうね」

向日葵「……ええ」


櫻子「私ね……明日を “その日” にできて、すごくよかったと思うの」

向日葵「…………」

櫻子「学校が無くなっちゃったらさ……私たちって、一緒にいる理由があんまりなくなっちゃうじゃん。学校があるから朝は一緒に登校するし、一緒に帰ってもくるけど……それがないと、なんだか一緒に居づらいっていうか」

向日葵「私たちが毎日理由もなく遊んでたら、ちょっと変ですものね」

櫻子「夏休みはもちろん大好きなんだけど……そういう意味では、毎年毎年ちょっとつまんないなって思ってたの」

向日葵「……私も、そう思うときもありましたわ」

櫻子「私たちが……そういう関係になっちゃえばさ、一緒にいてもいいんだもんね? 夏休み初日から最後の日まで、毎日ずっと一緒でも、おかしくないんだもんね?」

向日葵「ええ。夏休みが終わっても、ずっとね」

櫻子「それってどんなに楽しいことだろうって、最近ずっと考えてたの。朝から向日葵がいて、向日葵と遊んで、ちょっと勉強もして、一緒にご飯食べて、一緒に友達とも遊んで、プール行ったり、買い物行ったり、お祭りに行ったり、花火見たり……」

向日葵「…………」

櫻子「自分でもびっくりするくらい、そんなことばっかり思い浮かんできちゃってさ。ああやっぱり私って……向日葵のこと……本当に……///」

向日葵「……え?」

櫻子「……ああ、これ言っちゃだめなんだった」

向日葵「……ばかなんですの?」

櫻子「……ばかだよ」


目を閉じて楽しげに話をしてくれる櫻子。私もその手に手を重ね、指を絡めながら相槌を打った。

肝心の “それ” だけは言わないけれど、私たちの心はひとつになっていた。

ふたりの間に凝り固まってできた大きな壁は、いつの間にか姿を消していて、私はようやく本当の櫻子に出会えた。

繋いだ手から、あたたかすぎて、幸せすぎる想いが伝わってくる。私も負けじと心を込めて、櫻子への愛しい気持ちを送り込む。櫻子がもう片方の手を伸ばして、私の頬を撫でた。私はその手にキスをした。


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