17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 01:32:54.20 ID:+EtVRVLso
〜
こんこん
櫻子「なにー?」がちゃっ
向日葵「あっ」
櫻子「うわあえっ!? な、なんで!?」
向日葵「あの……来ちゃいました」
櫻子「いやいやいやいや! えぇ!? なんで!!」あわあわ
向日葵「しーっ! 花子ちゃん寝てるんですから……!」
櫻子「わかってるけど……!」
私はパジャマのままこっそり家を抜け出して大室家にやってきた。まだ起きていたであろう撫子さんに連絡して、大室家の玄関の鍵を開けてもらった。急にこんなことをお願いしても、撫子さんは特に理由も聞かずに言うことを聞いてくれる。本当に感謝してもしきれなかった。
突然の来訪に驚きまくっていた櫻子だが、寝ている家族が起きてくると困ると思ったのか、観念して静かに私を招き入れてくれた。
向日葵「よかった、まだ起きてて」
櫻子「いや、もう寝るところだったよ……眠れなかったから、適当に雑誌読んでたけど」
向日葵「そう」
櫻子「それより、なんで来たのさ……! 言っとくけど、私は明日って決めたんだから、明日にならなきゃ……」
向日葵「いや、それはわかってますわよ。私だって……今すぐに言ってほしいわけじゃありませんし」
櫻子「だったらなんで……」
向日葵「私も……その、私からも、あなたに言いたいことがあったんですわ」
櫻子「えっ?」
ベッドに腰掛ける櫻子の隣に座り、私はぽつぽつと言葉を紡いだ。思い立って櫻子の部屋まで来たはいいけど、具体的に何かプランがあったわけじゃない。
ただ、無性に櫻子に会いたかっただけだった。
向日葵「いきなりあんなLINE送りつけてきて……失礼ですわよ。私だってあなたに送り返したいメッセージのひとつもありますわ。でも返信するなって言うし……だから直接伝えに来たんですの」
櫻子「なんで直接……」
向日葵「黙って聞いて。それから……これを聞いても、なにも質問しないで。心の中に留めておいて」
櫻子「……うん」
向日葵「明日、21日の……夕方6時。私の部屋に絶対に来ること。私からもあなたに、話さなきゃいけないことがありますから」
櫻子「!」
向日葵「ちゃんとその時間は、誰にも邪魔されないように準備を整えましたわ。部屋も綺麗に掃除したし、楓は花子ちゃんと撫子さんが見てくれるそうです。だから……心置きなく、話しましょ」
改まってこんなことを言うのはとても恥ずかしくて、私は櫻子の顔が見られなくなった。それでも少しずつ言葉をしぼりだして、一語一句ちゃんと伝える。
櫻子だって、これと同じことをしてくれたのだから。
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