47:名無しNIPPER
2017/09/14(木) 17:06:53.74 ID:WUZ1iABd0
潮風と涙で、喉の奥がしょっぱさできゅうっと締まる。目が乾燥して、ぱちぱちとまばたきをする。
「ところでさ、今日はみんなこれからどうする?……帰っちゃうのか?」
「ふふっ、そんな顔してるガヴを置いていけるわけがないじゃない。明日まで下界にいられるように許可もらってきたのよ」
ウィンクをするヴィーネとニコニコ微笑むラフィエル。どうやらいろいろ手回ししてくれたらしい。
「そっか、用もないのに下界に降りるだけでも結構面倒なのに、ありがとうな」
「何言ってるんですか。ほかならぬガヴちゃんのためですよ。それくらいして当然です」
こいつらはまた、泣かせることを……
ふと、腕をさすって空を見上げるサターニャ。
「さすがに寒くなってきたわね、もう夜になっちゃうわよ」
「そうですね、そろそろ帰らなくちゃ電車もなくなっちゃいます」
「もしそうなっても、羽広げて飛んで行っちゃえばいいじゃないの」
「もう、サターニャったら……ここは魔界じゃないのよ?人間に見つかったらどうするの」
「えー?どうせ真っ暗で見えやしないわよ!」
わいわいと騒ぎ出す天使と悪魔たち。このやかましさが、私たちらしいなと思って顔がにやけてしまう。
でも、ここはやっぱり……
「前みたいにさ、普通に電車で帰ろうよ」
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