40:名無しNIPPER
2017/09/14(木) 16:59:38.32 ID:WUZ1iABd0
「ガヴ、そろそろ帰らないと夜になっちゃうわよ?」
そう、夜。夜の月を見ると、こんな風な優しい声のあいつを思い出してしまう。
「そうよ、風邪でも引いたら勝負ができなくなるじゃないの!」
あいつみたいなデカい声だけど、風邪ひいたときは勝負も休んでお見舞いに来てくれたよな。
「神足通を使うわけにもいきませんし、終電には間に合わないといけませんよ、ガヴちゃん」
終電……そうだ。自由に神足通を使えるあいつならともかく、不完全な私はその保証は……
……ん?今、神足通って言ったか?
恐る恐る顔を上げて、その声が幻聴でないことを確かめる。
「……え?」
ヴィーネ。サターニャ。ラフィエル。
心配そうな顔。ほくそ笑んでいる顔。ニコニコと笑っている顔。
私がずっと見たかったやつらの顔が私を見下ろしている。
「えぇ……なんだよ、もう」
恥ずかしさで頬を染めつつ、私はまた膝に顔をうずめた。
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