39:名無しNIPPER
2017/09/14(木) 16:58:44.25 ID:WUZ1iABd0
思わず声が漏れた。自分のものとは思えない、弱弱しくて小さな声。
最後のほうは、かすれてほとんど聞こえないほどだった。
声に出してしまったらだめだ。小さな穴が空いたダムのように、そこから感情があふれ出してしまう。
追随するように、涙腺が緩んで目が潤む。歯を食いしばって止めようとするが手遅れだ。
「う……っぐ、うぅ……っ」
目から涙が流れ、嗚咽まじりの唸り声が漏れる。
零れ落ちた涙は足元の砂に染み込んで色を変える。
どうしても、どうしても涙が止まらない。
太陽が、今にも沈もうとしていた。
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