ほむら「貴女がくれたもの」
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128:名無しNIPPER[saga]
2017/09/02(土) 19:25:36.28 ID:4RLwC4O6O
――廃協会


――少女身の上話中――


杏子「親父に全てのからくりがばれて、それでこのありさまさ」

杏子「あたしを残して一家無理心中」

杏子「他人の都合も考えずに勝手な願いをしたせいで、大切だったものはみんなこの手を零れていっちまったよ」

杏子「その時さ、馬鹿なあたしでも漸く分かったんだ。奇跡ってのはタダじゃない」

杏子「希望を願った分だけ、それと同じ分だけ絶望もまき散らされる」

杏子「そうやって差引をゼロにして世の中ってのはバランスが成り立ってるんだよ」

さやか「どうしてそんな話を私に……?」

杏子「あんたも開き直って好き勝手にやればいい。自業自得の人生をさ」

さやか「それって変じゃない? あんたは自分のことだけ考えて生きてるはずなのに、私の心配なんかしてくれるわけ?」

杏子「あんたもあたしと同じ間違いから始まった。これ以上後悔するような生き方を続けるべきじゃない」

杏子「あんたはもう対価としては高すぎるもんを支払っちまってるんだ」

杏子「だからさ、これからは釣り銭を取り戻すことを考えなよ」

さやか「……あんたみたいに?」

杏子「そうさ。あたしはそれを弁えてるが、あんたは今も間違い続けてる。見てらんないんだよそいつが」

さやか「あんたのこといろいろ誤解してた。そのことは謝るよ……ごめん」

さやか「でもね、私は人のために祈ったことを後悔してない」

さやか「その気持ちを嘘にしないために、後悔だけはしないって決めたの……これからも」

杏子「なんであんたは……」

さやか「私はね、高すぎる物を支払ったなんて思ってない」

さやか「この力は使い方次第でいくらでも素晴らしい物に出来るはずだから」

さやか「それからさ……あんた、そのりんごはどうやって手に入れたの?お店で払ったお金はどうしたの?」





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