85:名無しNIPPER[saga]
2017/09/01(金) 00:23:05.24 ID:gRyzT9wx0
さて、20歳が9歳に叱られているという、なかなかレアな状況ではあるのだが、それを見た都は、とにかく混乱していた。
目を覚ました瞬間、薫が電話に向かって怒っていたのだ。どうやら、相手は友紀で、しかも犯人だったらしい。
あの薬を飲んだ瞬間から今までの記憶が全くない。
もちろん、そんなこととはつゆ知らず、奈緒は都に声をかける。
「おい都! お手柄だな!」
「ふぇ!?」
加蓮も、心からの賛辞を送る。
「すごいじゃん、見直したよ」
「え? は、はい」
「いやー、推理を披露する都、まるで本物の探偵みたいだったぞ!」
「そ、そうですか! そうでしょう、そう……でしょう」
「みやこちゃん! すごい! たんていさんだ!」
「! は、はは……」
「お、そうだ、ついでに、あたしの髪留めがどこにあるか、捜してもらえないかな? 昨日、事務所でなくしちゃって……」
「も、もちろんお安い御用です! この安斎都に……」
そこまで口にしたところで、注意書きが脳裏に走った。
『1日に服用できるのは1回だけです』
(1日に2回以上服用すると……)
続く言葉を思い出し、冷たい感覚が蘇る。
「お、おおっと! 急用を思い出しました! すみませんが私はここで!」
「え? お、おう。気をつけてな?」
直前の言葉を覆し、走り去る都。少し、気持ちを整理したいという思いもあった。
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