254:名無しNIPPER[saga]
2017/09/26(火) 23:24:13.51 ID:1qpUpdjR0
◆◆◆
その年のクリスマス、珍しく都心にも雪が降った。
夕暮れの空に、白い光が舞う。
高垣楓は、事務所の屋上でそれを眺めていた。
彼女は戸惑っていた。
いくら自分がこうであると言っても、周囲は自分が恋していると疑わない。
それが幸せであると、言っている。
それが違うと言うと、聞いたファンは悲しそうな顔をする。
それを見るのが、たまらなく嫌だった。
「楓ちゃん」
川島瑞樹の声が聞こえた。振り返ると、屋上のドアによりかかり、声の主が立っていた。
「元気ない……わよね」
「ええ」
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