219:名無しNIPPER[saga]
2017/09/20(水) 23:24:37.59 ID:yNCJI72m0
この日、仕事を終えて家に帰った時、私の気分は最悪だった。
やることなすこと裏目に出る。
荷物を運ぶ手伝いをすれば、後で中身が壊れてたと問題になる。
電車で席を譲ったら、降りるときに近くに立ってた人が「なんで俺に譲らなかったんだ!」とか。
道端で募金してたからお金を入れたら、なんか写真撮られててネットで"偽善者だ"とか。
明日こそ、明日こそ。
って、何とか切り替えようとするんだけど。
そんな日は続いていった。
1つ1つは小さなことだけど、こうも重なると気が滅入るなんてものじゃない。
脳裏からみんなの顔が離れない。
泣く女の子の顔が。怪我をした晴ちんの顔が。
極めつけは、雑誌取材の写真撮影の時。
後ろに予定が詰まってる茜ちんに順番を譲ったら、突然地震が起きて。
機材が茜ちんに倒れてきた。
本人は大丈夫って言ってたけど、その瞬間の痛そうな顔が、私の網膜にこびりついている。
私は悪くない。私は悪くない。
そう言い聞かせても、やっぱりダメだ。
でも違う。一番ダメなのは、違う。
動けなくなってしまったことだ。
困っている人を見た時、足がすくんで、動けなくなってしまったことだ。
344Res/309.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20