【トトリのアトリエ】ミミ「こんなことはこれっきりにしてよね」
1- 20
6:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 13:18:40.52 ID:SC7wIBIj0
 次の日の朝には、視界の悪い森をようやく抜けることができた。ほとんど開けた小高い丘だ、森に比べればはるかに歩き易い。ここまで来てしまえば、明日中には街に着くだろう。森から出たところでトトリの重みは変わったりはしないが。直接注いでくる、強すぎる日光を遮断するために帽子と上着を着る。
 
「やっと森を抜けられたね。もう少しだけ頑張って」
「言われなくてもそうするわ」

以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 13:19:32.03 ID:SC7wIBIj0
「ミミちゃん、一回休もっか」
「…そう、ね……」

 トトリは隠しきれない私の疲れを感じたのだろう、プライドが邪魔して足を止められない私の代わりに休憩を勧めてくれた。休むには少し早いが仕方が無い。いつものように虚勢を張る余裕も無い、確かにもう限界だ。なんとか林立する木の陰まで少しずつ、少しずつ、進んで。着いた。ああ、涼しい。足を止めた瞬間トトリは左足だけで急いで飛び降り、私も傍に倒れこんだ。荒い呼吸がようやく収まってくる。

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 13:20:05.20 ID:SC7wIBIj0

 確かに過去二度、同じような状況になっては街の目は鼻の先であったから。トトリも私がここまで疲弊するとは予測していなかった。心底申し訳なさそうな顔をしている、そんな顔を見せるな。

「心配しなくてもいいわよ。私を誰だと思ってるの?」
「ミミちゃんは、ミミちゃんだよ。わたしこんなに…」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 13:20:39.41 ID:SC7wIBIj0
「分かったわよ、分かったってば。私も休みたかった所だから」
「ゆっくり休んでね。なんでも言って。わたし、なんだってするから」
「なんでもなんて大げさね、軽々しくそんなこと言うんじゃないわよ。そのうち痛い目に会うわよ」
「大丈夫だよ、ミミちゃんにしかこんなこと言わないから」
「………」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 13:21:16.14 ID:SC7wIBIj0
 早めの夕食を済ませて木陰に二人並んで座り込むと、風がさっと吹き入りトトリの匂いを私へと届けてくれた。花のような甘い香りだ。なんて落ち着く香りだろう。汗も混じっているが、それすらも清々しい。風に全身の疲れが溶けていく。

 日は丘を、私達を橙に照らす。私達は夕闇に染まる空をなんとなく眺めていた。なんでもない時間も、トトリと一緒ならばこんなにも心地よい。どちらともなく肩を寄せ合い、ゆっくりと地平線に沈む夕日を時間も忘れて眺めていた。

 どれだけの時間そうしていたのだろう。すっかり日は沈み月が出ても、私達の目は空に張り付けられている。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 13:21:57.04 ID:SC7wIBIj0
 そのまま眠っていたようだ、朝の日差しの眩しさに目を覚ます。眠るトトリの横顔は安らかで、何よりも尊い。トトリが私の横で安らかに眠ってくれるのが嬉しかった。

 この子を守り続けよう、私は勝手に心に誓った。

 再びトトリを背負い、歩き始める。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2017/08/27(日) 13:22:27.41 ID:SC7wIBIj0
終わり


13:名無しNIPPER[sage]
2017/08/27(日) 17:30:02.60 ID:M5pMXyiLO
糞スレやんけ


14:名無しNIPPER[sage]
2017/08/27(日) 20:01:07.17 ID:EWbR79lZo
乙です
トトリとは懐かしい
トトミミも良いけどジーノくんとのトリオも好きだったなあ


15:名無しNIPPER[sage]
2017/08/28(月) 09:00:27.84 ID:IC0FalmBo

やっぱりこのカプはいいね
前にミミが一人雪山で頑張るSS読んだけど1の作品?
あれもよかった


15Res/11.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice