北の果てで
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77:名無しNIPPER[saga]
2017/12/25(月) 00:36:07.97 ID:tgqb/Ifo0
「2人共、今戻ったぞー」

ココアを両手で持ち、扉を開けてもらい中に入る。さっきと変わらず暖炉のまで座っているが、Верныйが何故か自分のマフラーを首に巻いていた。グルグルと巻かれているマフラーは鼻までを隠すほどまで盛り上がっている。

「Admiral!Thank You!」

こちらに気づくと近付いてくると、まるでひったくるようにコップを取っていく。扉を閉め、暖炉を見るといつの間にか時雨がコートを羽織っていた。正直なところ、体温が低いこちらへ譲ってほしかったが、少女から大人が防寒具を奪うなどただの大人げないやつだ。そうだ、忘れないうちにプリンツを名簿に追加しておこう。

「プリンツ、ちょっとこっちに来てくれ」

「んん?どうしたの〜?」

「名簿にプリンツの事を書いておきたくてな」

「OK!」

引き出しから名簿を取り出す。分厚さの割には最初の1ページ目以外白紙のほぼ真っ白な名簿、これがほとんどの埋まるほどの大所帯だと大変そうだが楽しそうだ。

「さてまず名前だが…プリンツ・ユージンって英語でどう書くんだ?」

「えっとね〜 『Prinz Eugen』…ってあれ?」

「ん?どうした?」

「…ううん、何でもないよー!ほら、『Prinz Eugen』。書いてみて!」

「よし…『Prinz Eugen』だな?」

「YES!次いってみよー!」

書かれた通りに名簿に書き写すと、見た目の特徴等を書いていく。何の問題もなく埋めていったが、今の願いを聞くと、悩み込んでしまった。

「うーん…」

「願い無いのか?最悪おもちゃが欲しいとかでもいいぞ?」

「ううん、そうじゃなくて…誰かに会いたいんだけど全然思い出せないなぁーって」

「なるほど、それなら思い出せてからにしよう。さて、こんなもんだな」

名簿をとじ、引き出しにしまうと狙っいたかのように電話な鳴り響く。

「すまん、ちょっと静かにしていてくれ」


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