58:名無しNIPPER[saga]
2017/11/05(日) 17:06:35.10 ID:oyhUll3T0
外は案の定辺り一面雪景色、枯れた木が何本か哀しく立っているだけで他には何もなかった。本当にここが軍事施設なのかと疑問になってくる程だ。港、といっても少し舗装されただけの桟橋まで来ると、遠くの方に小さな島影が見える。
「うぅ…」
どこからか女性の呻き声が聞こえたような気がした。もしもこんな極寒の中で倒れてしたら大問題だ。とは言え、こんな所に人が倒れているとも考えづらい。自分の疲れから来た幻聴かもしれない。
「おい、誰か居るのかー?」
少し待っても返事はなかった。そろそろ切り上げようと踵を返す。
「ん?」
突然右足が何かに固定されたように動かなくなった。
「ま、待って…」
「うおっ!?」
いきなりのことに体が飛び上がってしまう。すぐに足元を見ると雪の中から手が出ていた。
「ひっ、引っ張って…」
「お、おう…」
ゆっくりと引っ張り上げると、金髪の少女の顔が出てきた。意外と顔色は良く寒がっている様子もない。
「ぷはー…新鮮な空気…」
「…寒くないのか?」
「あ、うん。えっと…最後まで引っ張ってくれると嬉しいかなぁ〜って…」
「分かった」
95Res/50.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20