北の果てで
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31:名無しNIPPER[saga]
2017/09/17(日) 00:08:50.48 ID:x/v0PbBI0
通路を進み重々しい鉄製の扉を開ける。鉄の臭いと油の臭いが鼻につき、Верныйも顔を歪めている。

「臭いが酷いな。Верный、工廠の掃除はしなかったのか?」

「地図で見ただけだからね。中には入ったことなかったよ」

未だに顔を歪めている。今までに何回か左遷される前の鎮守府で工廠には入ったことはあったが、いったいどれだけ放置すればここまで酷くなれるのだろうか。

「あ、こっちですこっちです!」

声のした方向を見ると、装置の上でピョンピョンと跳ね、手を振ってこちらに気づいてもらおうと精一杯努力していた。

「やぁ妖精、ちゃんと来たぞ」

「はい、それはいいんですけど。ちゃんと歯車持ってきましたか?」

「安心しろ。ちゃんと持ってきてるぞ」

コートのポケットから出した歯車を見るとホッとした様子で装置を起動していた。

「よかったよかった。それじゃあ、その歯車をこの窪みに、ググッと押し込んでください!」

「こうか?」

窪みにはめると、装置がガコンという音をたてて起動する。歯車が輝きはじめ、ゆっくりと回り出す。


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