3:名無しNIPPER[saga]
2017/08/26(土) 19:32:32.60 ID:fuPv5M+10
2度階段を登り、廊下を歩く。途中、窓から外をみたが、吹雪で外が全く見えない。まるで、檻に閉じ込められているみたいだ。
「ここだよ、どうぞ」
キィと油の切れた音を立て、ゆっくりと扉が開けられた。意外と中は綺麗に掃除されていて整っている。
「ふぅ…」
暖炉に火がついていて、窓には結露ができている。コートを脱いで、荷物を机に置く。暖炉に近付き手をかざして暖をとる。
「さて、それじゃあ自己紹介していいかい?」
「ん?ああ、寒さのせいで忘れてた」
その華奢な体に似合わない敬礼をすると、名前を言い始めた。
「私は元ソ連艦『Верный』。よろしく司令官」
「君はソ連艦だったのか」
「そうだよ、元は違う国の艦だったらしいけどね」
「覚えてないのか?」
「思い出そうとしても靄みたいなのがあって思い出せないんだ」
「それにしても幌筵は寒い、君はそんな格好で寒くないのか?」
「あれぐらいなら大丈夫さ」
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