北の果てで
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/08/26(土) 18:59:54.28 ID:fuPv5M+10
雪が降る北方で、ひっそりと佇む建物。本国から遠く離れたそれはほとんどの者が知らず、知っていても誰も近づかない。骨まで凍りそうな極寒のこんな辺境の地に飛ばされた青年が一人、送る用の船は、青年を下ろすとすぐに離れていった。

「うぅ…クソ寒い…」

とにかくこの風邪と雪から解放されるために建物に向かう。灯りは一切ついておらず、人の気配は全くしない。一応、扉をノックし誰かいるかを確かめる。すると、中から足音がこちらに近づいてきて扉を開けた。

「…どちら様かな」

「私は…」

中から出てきたのは少し青が混ざった白髪の少女、帽子に星のマークと錨の様なマークがある。蒼い目でこちらの姿をみると、何かを察したのかこちらが言い終わる前に建物の中に入るように促してきた。

「言わなくて良いよ、中に入って」

「ああ、ありがとう」

さっきの吹雪よりはましだが、建物の中もかなり寒い。底冷えするような寒さに、顔を歪めるが前を歩いている少女は平然として歩いている。

「な、なぁ」

「何かな?」

「暖房はつけないのか?これじゃあ、外も中も変わらないぐらい寒いんだが…」

「…執務室に暖房がある。それまでは我慢してほしい」

「ああ…」

寒さで倒れてしまいそうだ、せめてもう一枚上着を着てくれば良かったと今さら思っても時すでに遅し。執務室が近いことを祈ろう。


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