8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/08/24(木) 22:12:10.39 ID:fLR/Lwcb0
「でも、折角の飲み会なのに全然酔ってないって、なんか損した気せん?」
諭すというよりは、甘やかすような言い方だった。
自然と、ちっぽけな強がりをかなぐり捨ててしまえる気になれた。
裏付けがあってのことではないが、自然な気の遣い方をする人の気遣いほど、意識の深い部分に届くのだと、とみに思う。
それに、あれだけ痛飲した彼女が言うと、その言葉は妙に説得力を帯びているように感じられた。
観念して両手を上げる。
本当のところ、帰ってから一人で飲みなおそうと思っていたのだ。
「ほんま、先輩っていう人は、なんもかんもお見通しですね」
そう言うと彼女は、得意げな表情をした。
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