晩夏にほどける
1- 20
8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/08/24(木) 22:12:10.39 ID:fLR/Lwcb0
「でも、折角の飲み会なのに全然酔ってないって、なんか損した気せん?」

 諭すというよりは、甘やかすような言い方だった。
 自然と、ちっぽけな強がりをかなぐり捨ててしまえる気になれた。

 裏付けがあってのことではないが、自然な気の遣い方をする人の気遣いほど、意識の深い部分に届くのだと、とみに思う。
 それに、あれだけ痛飲した彼女が言うと、その言葉は妙に説得力を帯びているように感じられた。


 観念して両手を上げる。
 本当のところ、帰ってから一人で飲みなおそうと思っていたのだ。

「ほんま、先輩っていう人は、なんもかんもお見通しですね」

 そう言うと彼女は、得意げな表情をした。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
54Res/25.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice