晩夏にほどける
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47: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/08/24(木) 23:03:23.54 ID:fLR/Lwcb0
「手、繋ぎたいです」

「ん」

 おれの方にぶらっと伸ばされた、白くて小さな左手に触れる。
 ほんの少しだけ冷ややかで、この世で一番柔らかかった。

 そうして手を繋いだ途端、どうしてだか、身体中がほどけていくような気がした。

 実際になにかがほつれたわけじゃなく、それは感覚的なものに過ぎないけど、たしかだった。

 嫌な気持ちが根こそぎ取り去られて、ベッドに身体を沈めた時のような安心感に包まれる。
 身体の芯に少しずつ滲むようにして、幸せだという思いが広がっていく。


 少しだけ力を込めて握ると、応えるようにして握り返してくれる。



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