16: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/08/24(木) 22:25:21.58 ID:fLR/Lwcb0
「相談、ですか。ええですけど」
口にした言葉とは裏腹に、煙のように掴みどころのない感情が沸き上がる。
対面で酒を飲むというのも、実は初めてのことだった。
本来はもっと、わかりやすく喜ぶべきなのかもしれない。
だけど、彼女が誰かに相談する姿なんて、今まで見たこともなかった。
「ありがと」
「どこか店入ります?」
「うち、いいお店知っとうからそこでええ?」
「大丈夫ですよ」
身体の後ろ側で手を組んで、彼女が再び歩き始める。その斜め後ろをついて歩く。
店に着くまでに五分とかからなかったが、その間に意味のある会話は殆どなかったと思う。
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