【モバマス】白菊ほたる「私は、黒猫が苦手です」
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14: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/08/20(日) 15:59:02.54 ID:7paV1WT90

●月曜日・夕暮れ

ほたる「きれい―――」

夕陽の見える公園、芝生の上。

ペロさんと並んで座って夕陽を見て、私は息をつきました。

町は、私が知らない色々な色彩が溢れていました。

それはどれもきれいで、ペロさんが見せてくれなかったら、ずっと気がつかないままだったでしょう。

ペロさんをそっと撫でながら、私は、昨日菜々さんから聞いた話を思い出していました。

―――黒猫が福猫になったのは、皆が『黒猫はいいものだ』と言ったからで。

―――黒猫が悪いものになったのも、皆が『黒猫は不吉なものだ』と言ったからで。

だとしたら、黒猫さんを「不吉と結び付けられるようで苦手だ」と言った私自身も、黒猫さんを悪いものにしようとしていたのかもしれません。

『白菊ほたるは不幸を呼ぶ』と。

自分が言われることは、あれほどイヤだったのに。

少し落ち込んで、考えます。

……ペロさんは、私にステキなものを見せてくれました。

私が気付かなかっただけで、ずっと、見せようとしてくれていた。

そういえば、私が小さかったころ。

私の傍によく来てくれた黒猫さんは、私に避けられるようになってからも、よく姿を現してくれていました。

あの黒猫さんは、どうして嫌がられても、私の傍に来てくれたのでしょう。

もしかして、ペロさんのように―――


ほたる「―――ペロさん」

ほたる「ありがとう、ごめんなさい―――」

ペロさんは聞かないふりをするみたいに、黙って尻尾をゆらゆらさせていました―――


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