【モバマス】白菊ほたる「私は、黒猫が苦手です」
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13: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2017/08/20(日) 15:58:35.68 ID:7paV1WT90

●月曜朝

ほたる「よろしくお願いします、ペロさん」


朝、私はペロさんと一緒に歩き出しました。

お水とお弁当、キャットフードも完備です。

昨日おもったとおり、私がゆっくりと歩いていると、ペロさんは決して駆け出しませんでした。

私が歩いただけ進んで、ときどき振り返って。

私が遅れると、待っていてくれるのです。

あの橋桁の下を見せてくれたみたいに、ペロさんは多分、はじめから私をどこかに案内してくれるつもりだったのです。

だとしたら、追いかけっこは不本意だったことでしょう。


ほたる「気付くのが遅れて、すみません」


ペロさんは気にしないと言うようににゃあと鳴いて、歩いていきます。

ゆらゆら揺れる尻尾は、さしずめ添乗員さんの持ってる旗でしょうか。



ペロさんと歩くと、今まで知らなかったものばかりが見えました。


ビルの間の取り残されたような空き地に、野菊の群生があること。

いつも通る道の一本隣に、花をいっぱい育てているおうちがあること。

都会の真ん中にあるのが信じられないような、苔むした神社が事務所のすぐ近くにあったこと。

二階の壁に、まるでお勝手口のようなドアが付いたおうち。
 
まるで水琴窟のように澄んだ音が聞こえてくる配水管があること。

見慣れたはずの町に、知らない道がいっぱいあるということ。

ペロさんが案内する道を通ると、意外なくらいたくさんの猫さんをみかけること。

ランニングをするときいつも通っている道をペロさんの目線で見ると、いろいろな物陰に小さな花が溢れていたこと―――



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